はじめに
ここまで3回にわたって、Claude Codeを使った人生管理システム「LIFE SYSTEM」を紹介してきました。
日々の運用で inbox/ に毎日のデータ(news.md / digests.md / journal.md / plan.md)が積み上がっていきます。
今回紹介する /weekly-reflect は、1週間分のデータをまとめて集計し、ルーティンと情報収集の精度を週単位で上げていくためのスキルです。
このシリーズの締めくくりとして、/weekly-reflect がやっていることと、特に「何も進んでない感」への対抗装置としての積み上げ抽出と、digestを /news-morning に反映する改善ループの2つを中心に書きます。
/weekly-reflect の全体像
/weekly-reflect は、毎週日曜日の夜に1回だけ実行するスキルです。
日曜日の夜
└── /weekly-reflect
├── Step 1: 達成率の集計
├── Step 2: 今週の積み上げ・学びの自動抽出 ★
├── Step 2.5: 興味digestの集計と /news-morning 改善 ★
├── Step 3: 習慣化判定(3週連続○)
├── Step 4: 週間リフレクション(3つの問い)
├── Step 5: コーチからのフィードバック
└── Step 6: weekly-reflect.md として保存
入力は、その週(月〜日)の journal.md / plan.md / digests.md と、routines/current.csv、そして過去7日の git log。
出力は、inbox/(日曜日の日付)/weekly-reflect.md です。
この記事では、特に重要な ★印の Step 2 と Step 2.5 を厚めに、それ以外のステップは簡潔に紹介します。
Step 1:達成率の集計(簡潔)
まずは数字の集計から始まります。
- スケジュール達成率:
plan.mdの全項目中、○の割合 - ルーティン達成率(全体):
current.csvの ○ の総数 ÷(記録セル −-セル) - ルーティン項目別達成率:各項目について、その週の○の日数 / 記録日数
- は「やれない日(記録対象外)」を表していて、達成率の分母から外します。たとえば「週1の項目を平日に - で記録する」運用にしておくと、項目ごとに正しい達成率が出ます。
ここは前回紹介した /daily-journal の延長で、日々の○×をそのまま週次の数字に積み上げているだけです。
Step 2:今週積み上がった資産・学びの自動抽出
ここからがこのスキルのメインです。
なぜこのステップを入れているか
/daily-journal を毎日続けていても、週末になると「今週、自分は何かを進められたんだっけ」という感覚に襲われることがあります。
個別のジャーナルを読み返せば確かに○がついているのに、全体として「何も進んでない感」が残る。これは続けるうえで一番厄介な感覚です。
Step 2 は、その感覚への直接の対抗装置として置いています。
AIが事実を抽出して提示する
具体的には、AIに次のものを読み込ませて、事実ベースで2つのリストを作ってもらいます。
| 読み込む対象 | 用途 |
|---|---|
今週分の journal.md | 良かったこと・気づき・やり直すならの蓄積 |
今週分の plan.md | 計画と実績 |
git log --since="7 days ago" | 何を実装・修正・公開したか(検証可能な記録) |
scrap/ / resources/ / telos/ / projects/ の変更 | 構造的な積み上げ |
そこから、以下の2つを抽出させます。
A. 今週積み上がった資産(事実ベース・検証可能なもの)
- 公開したコンテンツ(記事・コード・動画)
- 完成・更新したドキュメント
- 解決した技術課題・実装した機能
- 新しく作った仕組み・スキル
書き方のルールは「動詞で書く」「可能ならファイルパスやコミットハッシュなど検証可能な根拠をつける」「3〜5項目に絞る」。
B. 今週の学び・気づき(後で再利用できる形に汎化)
- 自分について新しく分かったこと(傾向、価値観、最高体験の構造など)
- 技術的・実務的に分かったこと
- 立てた仮説と検証結果
ここも汎化が肝で、journal.md の長い引用ではなく、「Xすると Y になる」「Aの場合は B が効く」という、来月以降にも使える形に整理させます。
AIが勝手に確定しない
抽出が終わったら、AIは必ず次のように本人に確認を取ります。
ここで自分が手を入れて確定させてから、リフレクション本体(Step 4〜5)に進みます。
AIに「今週はこうだった」と勝手に確定させないことは、/daily-journal での「ジャーナルはAIが代筆しない」と同じ思想です。
Step 2.5:興味digest の集計と /news-morning の改善
ここが、前回の記事で予告したフィードバックループの完結部分です。
何を集計するか
過去7日の inbox/(日付)/digests.md をまとめて読み込み、次の数字を出します。
| 集計項目 | 用途 |
|---|---|
| 総digest数 | 今週どれくらい記事を深掘りしたか |
| ドメイン別件数 | どこの媒体から多く深掘りしたか |
| カテゴリ別件数 | ai / ios / unity / indie-dev / invest / side-biz / broadcast / life のどこに偏っていたか |
| 自力発見率 | news.md掲載: ✗ 自力発見 の件数 / 総digest数 |
| GOALSバランスチェック | 今週0件だったカテゴリを GOALS.md と照合 |
「自力発見率」は前回の記事で紹介したシグナルで、/news-morning のソース網羅では拾えなかった記事を、自分のアンテナで見つけた割合を表します。
改善提案を本人承認制で /news-morning に反映する
集計が終わると、AIは次の3種類の改善提案を出してきます。
- ソース追加候補 — digest数が多いのに
/news-morningに載っていないドメイン
例:「example.devから3件digestしています。/news-morningに追加しますか?」 - キーワード追加候補 — digest本文に頻出するが
/news-morningの検索キーワードにない語
例:「新しいツール名が複数回出現。検索キーワードに追加しますか?」 - ソース降格候補 —
news.mdに載っているのにdigest 0件が3週続いたソース
例:「xxx.comは3週連続でdigest化されていません。/news-morningから外しますか?」
それぞれ本人が承認したものだけを、/weekly-reflect が .claude/skills/news-morning/SKILL.md を直接書き換えて反映します。
承認なしにスキルファイルを書き換えないのはここでも徹底しています。
このループが目指していること
/url-digest で「気になった記事」を毎日デジタル化すると、それは自分の興味の証拠データとして digests.md に積み上がります。
そのデータを /weekly-reflect が読んで、/news-morning のソースとキーワードを毎週調整する。
つまり、
朝、/news-morning が記事を集める
↓
日中、気になった記事を /url-digest で要約
↓ (興味カテゴリと自力発見フラグが残る)
日曜、/weekly-reflect で1週間分を集計
↓ (ソースとキーワードの追加/削除を本人承認)
翌週、/news-morning が改善された設定で記事を集める
このループによって、/news-morning を「自分の興味の今」に合わせて少しずつ育てていく仕組みになっています。
最初に /news-morning の興味領域を書いたときは、どうしても「今の自分の興味」のスナップショットしか書けません。半年後には興味が変わっているかもしれない。そのギャップを毎週少しずつ修正していくのが、この /url-digest → /weekly-reflect のループです。
Step 3:習慣化判定(3週連続○ で卒業)
ルーティンの育て方の核です。
current.csv を読み、各項目について過去3週間連続で○かを判定します。
3週連続で○だった項目は「習慣化達成」と判定し、本人確認のうえで以下を実行します。
routines/achieved.mdに達成日・項目・期間を記録current.csvの該当列を削除し、新しい項目に入れ替え
新しいルーティンは本人に聞いて決めます。
「達成したら卒業して次を入れる」という構造になっているので、ルーティン表が固定のチェックリストにならず、少しずつ育っていくのがこの仕組みのポイントです。
ルーティンが3週連続で守れない場合は、項目が抽象すぎるか粒度が大きすぎる可能性が高いので、/weekly-reflect の場で項目自体を見直すこともあります。
Step 4〜5:週間リフレクションとコーチング
最後に、AIが3つの問いを1問ずつ投げます。
- 今週の一番の良かったことは何ですか?
- 今週、目標に向けて進めたことはありましたか?
- 来週、一番フォーカスしたいことは何ですか?
ここも /daily-journal と同じく、回答は本人の言葉をそのまま記録します(AIが代筆しない)。
回答が出揃ったところで、AIは次のルールでフィードバックを返します。
- Step 2 で抽出した事実(積み上げ・学び)を引用して具体的に承認する
- 達成率の数字を使って語る(「先週より○%向上」のように)
- 今週のジャーナルから見えるパターンを1つ指摘する
- 来週のフォーカスへの橋渡しをする
最後に保存されるのが inbox/(日曜日の日付)/weekly-reflect.md です。
実際に生成される weekly-reflect.md は次のような形になります。

/weekly-reflect スキルの中身
/weekly-reflect スキル全文を見る
---
name: weekly-reflect
description: 週次の振り返りを行う。1週間のスケジュール達成率・ルーティン達成率の集計、習慣化判定(3週連続○)、週間リフレクション、来週のフォーカス設定を行う。日曜日に実施する。
disable-model-invocation: true
---
あなたは原田隆史メソッドを熟知したコーチです。
1週間の振り返りをサポートしてください。
## 前提
- 今週分(月〜日)の inbox/YYYY-MM-DD/journal.md と plan.md を全て読んでください
- routines/current.csv を読み、今週のルーティン記録を把握してください
- telos/GOALS.md と telos/VISION.md を参照してください
- 過去7日の git log を確認してください(`git log --since="7 days ago" --pretty=format:"%h %s"`)
## 進め方
### Step 1: 達成率の集計
- スケジュール達成率:全項目中○の割合
- ルーティン達成率:○の総数 ÷(全セル数 − `-` セル数)
- ルーティン項目別達成率:各項目について ○ の日数 ÷(記録日数 − `-` 日数)
### Step 2: 今週の積み上げ・学びの自動抽出
過去7日の以下を読み込み、AI が事前に整理して本人に提示する:
- inbox/YYYY-MM-DD/journal.md(今週分すべて)
- inbox/YYYY-MM-DD/plan.md(今週分すべて)
- git log --since="7 days ago"
- 必要に応じて scrap/、resources/、telos/、projects/、routines/dashboards/ の変更
**抽出するもの:**
#### 今週積み上がった資産(事実ベース・検証可能なもの)
- 公開したコンテンツ、完成したドキュメント、解決した技術課題、新しく作った仕組み等
- 動詞で書く、可能ならファイルパス・コミットハッシュなど検証可能な根拠をつける
- 重要なものを3〜5項目
#### 今週の学び・気づき(durable な学習)
- 「Xすると Y になる」「Aの場合は Bが効く」のように汎化された形で
- 3〜5項目
**重要:** 抽出が終わったら、本人に必ず提示して「加えたいもの・削除したいものはありますか?」と確認する。AIが勝手に確定しない。
### Step 2.5: 興味digestの集計(情報収集の自己改善)
過去7日の `inbox/YYYY-MM-DD/digests.md` を集計し、`/news-morning` の改善材料として整理:
1. 総digest数
2. ドメイン別件数
3. カテゴリ別件数
4. 自力発見率(`✗ 自力発見` の件数 / 総digest数)
5. GOALSバランスチェック(今週0件だったカテゴリを GOALS.md と照合)
**集計手段(例):**
```bash
# ドメイン抽出
grep -h "^- \*\*ドメイン\*\*" inbox/*/digests.md | sort | uniq -c | sort -rn
# 自力発見カウント
grep -c "自力発見" inbox/*/digests.md
```
集計結果を提示した上で、以下を**本人承認制**で行う:
- ソース追加候補(digest数が多いのに news-morning にないドメイン)
- キーワード追加候補(digest本文に頻出するが news-morning にない語)
- ソース降格候補(news.mdに載っているのに digest 0件が3週続いたソース)
承認を得たら `.claude/skills/news-morning/SKILL.md` を編集して反映する。
**承認なしに SKILL.md は変更しない。**
digestファイルが1件もない週は、このステップをスキップして「気になった記事があれば `/url-digest` を試してみてください」と一言伝える。
### Step 3: 習慣化判定
routines/current.csv を読み、各項目について過去3週間連続で○かを判定。
3週連続○の項目があれば「習慣化達成」と伝え、本人確認のうえで achieved.md に記録し、current.csv の該当列を新しい項目に入れ替える。
### Step 4: 週間リフレクション
以下を1つずつ聞き、本人の言葉をそのまま記録する:
1. 今週の一番の良かったことは何ですか?
2. 今週、目標に向けて進めたことはありましたか?
3. 来週、一番フォーカスしたいことは何ですか?
### Step 5: コーチからのフィードバック
- Step 2 で抽出した事実(積み上げ・学び)を使って具体的に承認する
- 達成率の数字を使って事実承認(「先週より○%向上」のように)
- 今週のジャーナルから見えるパターンを1つ指摘する
- 来週のフォーカスへの橋渡しをする
### Step 6: 保存
inbox/(日曜日の日付)/weekly-reflect.md として保存。
## トーン
- 1週間分のデータを踏まえた具体的な承認をする
- 数字で語る。「頑張りましたね」ではなく「達成率○%、先週より△%向上」
- 「何も進んでない」と本人が感じやすい状態を、Step 2 の抽出(事実)で覆す
- 来週への期待感を高めて締める
## 重要な原則
- Step 2 は「闇雲感」「やっても無駄感」への直接の対抗装置。**毎週必ず実施する**
- 抽出は事実ベース。AI の推測で「成長した」と書かない、検証可能な根拠を必ずつける
- 学びの汎化は durable に。「来月以降にも再利用できる形」で書く
- 「積み上がった資産」が3項目に満たない週は、ジャーナル・git log を再度精査する。本当に何もない週は稀
inbox に残るもの
/weekly-reflect を回すと、その週の日曜日のフォルダに weekly-reflect.md が追加されます。
1週間分の運用が終わった時点での inbox/ は、次のようになります。
inbox/
├── 2026-06-01/ ← 月
│ ├── news.md / digests.md / journal.md / plan.md
├── 2026-06-02/ ← 火
│ ├── news.md / journal.md / plan.md ← url-digestはやらない日もある
...
├── 2026-06-07/ ← 日
│ ├── news.md / digests.md / journal.md / plan.md
│ └── weekly-reflect.md ← /weekly-reflect の出力
└── 2026-06-08/ ← 翌週月曜
└── plan.md ← 日曜の夜に /plan-tomorrow で作成
このフォルダ群が、そのまま自分の人生の「履歴データベース」になります。
このシリーズで紹介してきたこと
ここまで4本にわたって、LIFE SYSTEMの全体像を紹介してきました。
- 全体像 — システム全体の構成と運用フロー
- telos編 — システムの軸となる
telos/フォルダの作り方 - 日々の運用編 — 朝・日中・夜の4スキルで1日を回す
- 本記事:週次運用編 —
/weekly-reflectで1週間を集計し、ルーティンと情報収集を育てる
telos/ で「どこへ向かうか」を決め、日々の4スキルで「データを積み上げ」、週次の /weekly-reflect で「集計して仕組みを育てる」。
この3層構造が、LIFE SYSTEMの基本的な動き方です。
おわりに
LIFE SYSTEMは、運用しながら自分の手で書き換えていく前提のシステムです。
記事として一度区切ってはみたものの、/news-morning の収集ソースは毎週入れ替わっていますし、ルーティンも数ヶ月単位で構造ごと組み替えています。
「仕組みを作って終わり」ではなく、/weekly-reflect を回すたびに少しずつ自分に合った形へ変わっていくのがこのシステムの面白いところだと感じています。
運用しながら見えてきた工夫や、システムの改善点はまた別の形で発信していければと思います。
関連記事
- Claude Codeで人生を管理するLIFE SYSTEMの取り組み — シリーズ1本目。全体像
- LIFE SYSTEMの始め方:まず「telos」で自分の軸を明らかにする — シリーズ2本目。telos の作り方
- LIFE SYSTEMの日々の運用紹介:朝のニュース・夜の振り返り・翌日計画で1日を回す — シリーズ3本目。日次の4スキル
参考にしたもの
- 原田隆史『目標達成ノート STAR PLANNER』 — 達成率の集計、週間リフレクション、習慣化判定(3週連続○)の考え方を参考にしました
- ティアゴ・フォーテ著/春川由香訳『SECOND BRAIN(セカンドブレイン) 時間に追われない「知的生産術」』 — 1週間分のデータを集計し直して意味づけるという考え方を参考にしました


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